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涼を感じたい!江戸に学ぶ“夏の知恵”
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うだるような暑さが続く夏。エアコンなしではすぐにバテてしまいそうですが、いったい江戸時代の人々はどのように暑さをしのいでいたのでしょうか。現代でも役立つ、江戸っ子の“夏の知恵”を生活に取り入れて、粋に涼をとってみませんか。
9月3日(日)まで日本橋、八重洲、京橋エリアで開催中の「ECO EDO 日本橋 2023~めぐり、つなげる、江戸の知恵~」のイベントとともに、エコに涼を感じる江戸の知恵をご紹介します。 -
ゆかたで街歩きを楽しもう
夏の和装といえば「ゆかた」を思い浮かべる方が多いと思いますが、その起源は平安時代にまでさかのぼります。当時の貴族は入浴時に、「湯帷子(ゆかたびら)」という麻の着物を着用していました。入浴といってもお湯に浸かるわけではなく蒸し風呂のようなものだったので、裸で入ることはなかったそうです。
その後、湯帷子は時代とともに麻素材から綿素材になり、湯上がりや寝巻きとしても使われるように変化していきます。しかし、ゆかたとして庶民に普及したのは江戸時代の中期以降と、なんと約1000年が経ってからのこと。きっかけは銭湯の普及だといわれています。最初はバスローブのような湯上がり着として、後に外出時にも着られる外出着へと進化し、明治時代にかけてゆかたをファッションとして楽しむ文化が花開いていきました。この夏、「ECO EDO 日本橋 2023」の期間中は、日本橋エリアの8か所の「ゆかたサービススポット」で着付けやレンタルなどを特別価格にて提供しています。手ぶらでゆかたが楽しめるので、和装に馴染みのない方にもおすすめです。思い思いのゆかた姿で街を歩けば、気分は江戸の町人。日本橋の風景も、いつもと違って新鮮に見えてくることでしょう。
ゆかたでまちあるき
7月7日(金)〜 9月3日(日)
サービス店舗はこちら
※店舗によりサービスおよび提供日が異なります。
※サービス詳細、予約方法などは各サービス店舗情報をご覧ください。 -
江戸風鈴に目と耳を傾けよう
江戸時代と同じ製法で作られた「江戸風鈴」。ガラスの美しい透明感と凛とした音色で、目と耳に涼を届けてくれる夏の風物詩です。江戸に暮らした人々も同じ音色を楽しんだのかなと思いを馳せると、よりしみじみとした風情が感じられます。
日本での風鈴のルーツは奈良時代、青銅製の鈴のような「風鐸(ふうたく)」が遣唐使によって伝えられたことがはじまりだとされています。風鐸は邪気除けの道具として広がり、現在でもお寺などの軒の四隅に吊り下げられている姿を見ることができます。鎌倉時代にかけて、貴族の屋敷の軒先にも魔除けとして吊るされるようになりました。
その後、金属製の風鐸は小振りの風鈴として普及していきますが、時を経て江戸中期にはガラス製の風鈴が現れます。ただし当時のガラス製品は非常に高価なものだったそうです。江戸末期には現代の「江戸風鈴」と同じく宙吹きのガラスに色絵を施した風鈴が流行。明治時代にはガラス製品が庶民の手にも届く価格にまで下がり、風鈴を売り歩く「風鈴売り」も現れるようになったそうです。「ECO EDO 日本橋 2023」では、福徳神社横に約200個の江戸風鈴が並ぶ「森の風鈴小径」をはじめ、日本橋、八重洲地区の5か所に、涼やかな音色を奏でる風鈴スポットが出現。一つひとつが手しごとで生み出された個性豊かな風鈴は、SNS映えもばっちり!夜間にはライトアップされ、日中とは異なる風情をお楽しみいただけます。
夏を奏でる風鈴スポット
7月7日(金)〜 9月3日(日)
風鈴スポット一覧はこちら -
打ち水で気温を下げよう
近年ではヒートアイランドや地球温暖化への対策として、その価値が見直されている「打ち水」。水が蒸発する際に周囲から熱を吸収する「気化熱」の効果によって地面の熱を逃し、周囲の温度を下げることに繋がるのです。
打ち水は日本に古くからある文化で、もともとは神様が通る道をお清めするという意味合いがあったそうです。その後、茶の湯の礼儀作法として定着し、江戸時代には庶民の間にも普及するように。涼をとる手段としてのみならず、客人を招く際に道を清めたり、道の土埃を鎮めたり、おもてなしとしても用いられ、広まっていきました。「ECO EDO 日本橋 2023」では、8月10日(木)、8月11日(金・祝)の2日間、福徳の森近くの仲通りで打ち水を実施します。日本橋エリア内の賛同企業とともに、周辺施設の再生水を活用したECOな打ち水です。日本橋にお勤めの方も遊びに来た方も、どなたでも自由にご参加いただけます。打ち水の「のぼり」を目印にお集まりください。
「晴れたら打ち水!」日本橋
8月10日(木)、8月11日(金・祝)11:30~18:00
場所:仲通り(福徳神社付近)
※雨天荒天中止 -
かき氷をはしごしよう
今では気軽に食べられるようになった夏の風物詩「かき氷」ですが、製氷技術のなかった時代には非常に貴重な存在でした。古くは平安時代、清少納言の『枕草子』に「削り氷(けずりひ)」として記されています。
江戸時代には徳川将軍もかき氷を口にしていたそうです。加賀藩が雪氷を氷室蔵に貯蔵し、旧暦の6月1日に取り出して、飛脚で昼夜4日間をかけて将軍家に献上していたという逸話が残っています。
江戸時代の末期には、船便で北国の氷を大量に江戸に運べるようになったり、アメリカのボストンから横浜港まで氷が輸入されるようになったり、氷は身近な存在になっていきますが、まだまだ高価でした。明治時代に入ると日本初のかき氷店が開業するなど、徐々に庶民が口にできるようになっていったそうです。「ECO EDO 日本橋 2023」では、8月10日(木)~8月13日(日)の4日間、日本橋のさまざまな飲食店のかき氷がコレド室町テラス大屋根広場に集結する「日本橋かき氷フェスティバル2023」を初開催します。日本橋の老舗飲食店や百貨店、ホテル、商業施設などがかき氷屋台を出店。イチゴや抹茶などの定番かき氷から、ちょっと珍しいかき氷まで、多種多様なかき氷を気軽にはしごしてお楽しみいただけます。もし江戸の人々がタイムスリップしてきたなら、まるで夢のようだと大興奮すること間違いありません。
日本橋かき氷フェスティバル2023
8月10日(木)~8月13日(日)
場所:コレド室町テラス 1F 大屋根広場
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