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  • 「発見や出会いがあるから続けていける」写真家・川島小鳥インタビュー

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    コレド室町2・3の10周年を記念して、各店で働くスタッフを写真家の川島小鳥さんが撮影! 写真展「ありがとうを、つむいでく。」と題し、撮り下ろし写真をコレド室町で4月7日(日)まで展示中です。

    コレド室町での2日間にわたる撮影を終えた川島さんに、今回の撮影に込めた思いや写真に向き合う姿勢などについてお話を伺いました。

  • ■ コレド室町での撮影について

    ― 川島さんはこれまでにコレド室町を訪れたことはありましたか?

    コレド室町テラスの「誠品生活」には、取材や買い物で来たことがありました。台湾の誠品では個展をさせてもらったこともあるんです。

    ― 川島さんは台湾と縁が深いイメージがあるので納得です。では今回、コレド室町をじっくりまわってみた感想を教えてください。

    お店もお客さんも、すごくエネルギッシュだと感じました。店舗数も多いですし、それぞれのお店でカラーが違うところがいいですよね。

    ― エネルギッシュというのは?

    日本橋で働いているみなさんがコレド室町に立ち寄って、お買い物をしたり、ご飯を食べたりすることで、すごく元気になっているんじゃないかなと。 あとは撮らせてもらったお店の人たちが、それぞれ自分のお店に対して大きな誇りを持っていることが伝わってきました。

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    ― 撮影時には川島さんから一方的に指示を出すだけでなく、「おすすめの場所はどこですか」など店員さんの思い入れを汲みとりながら撮影していたことが印象的でした。今回は何店舗で撮影を?

    21店舗です。

    ― すごい。おつかれさまでした。

    お店の人だけでなく、警備員さんも撮らせていただいたり。一番記憶に残っているのは、コレド室町の従業員の皆さんが100名ほど集まっているのを撮ったときですね。あんなに大勢の人を一度に撮ったのは人生初でした。

    ― 今回のように、撮られ慣れていない人にカメラを向けると、やっぱり自然に振る舞うのは難しくて、固くなりがちですよね。どうやって自然な表情や魅力を引き出すのでしょうか?

    先ほどの話と重なるんですが、みなさん自分のお店のことが好きだから、自然といい表情になっていたなと。あとはその人が普段やっていることを再現してもらったり。ワインショップだったらワインを注いでもらうとか。

    ― 普段どおりの動作をしてもらうことで、自然に振る舞えるんですね。

    でも今回はみなさん接客のプロの方たちだったので、見られることに慣れている方が多かったです。いきなり笑顔が素敵な方もいれば、コミュニケーションをとりながら撮影しているうちに、だんだん気分がのってくる方もいました。

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    ― 今回はフィルムでの撮影でしたが、フィルムへのこだわりは?

    単純に、デジタルだと撮れないものがあるので。あたたかな空気感みたいなのは、フィルム独特のものですよね。

    ― でも新しい機材にも興味がありそうですよね。

    めっちゃ試してはいるんです。いつでもフィルムというわけじゃなくて、デジタルのほうがいいなと思うときもあるし、フィルムと混ぜて使うこともあります。今回は1組1枚の展示と決まっていたので、フィルムで撮れたかどうかわからないぐらいのほうが写真っぽくて面白いかなと。

    ― ちなみに撮影時にはいつもアシスタントをつけていないんですか?

    はい。

    ― なにかこだわりが?

    人数が少ない方が、撮られる側も緊張しないかなと。人間って2人でいるときとみんなでいるときで、自動的に違う顔になるので。だから人数はなるべく最小限にしておきたいんです。

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  • ■ 写真を撮ることについて

    ― 今回の企画に限らず、写真を撮る際に心がけていることはありますか?

    慣れないこと、でしょうか。写真を始めて20年ぐらい経つんですけど、上手くなると面白くないなと思っていて。失敗ぎりぎりみたいなのがいいんです。だから、いつも初めて撮るような気持ちでいます。

    ― 20年やっても慣れずにいるってすごく難しいことですよね。コレド室町2・3は今年で10周年を迎えましたが、そうやって物事を長く続けていくために大切なことってなんだと思いますか?

    僕は気づいたら20年が経っていたって感じで。もうちょっと若いつもりだったんですけど(笑)。

    ― でも写真家として一線でやり続けるのって簡単なことではないと思うんです。

    僕は、発見や出会いを求めているのかもしれません。悩んだ先に自分の中での気づきがあったり、たまたま出会った人や場所が、自分の探していた答えを持っていたり。そういうときに続けてきてよかったなと思います。
    たとえば台湾に行ったときに、ここで作品を作りたいなと思う。そういう自分の興味や好奇心が湧くものと出会って、それに対して試行錯誤している時間がすごく楽しいんです。

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    ― 続けていくことでポジティブな影響はありますか?

    さっき「慣れないこと」と言っていたのと逆になるかもしれませんが、いろんな経験をしてきたからこそ自分を信じられるという面はあると思います。

    ― どんな現場でもドンとこいと。

    イエス(笑)。

    ― 写真を撮り続けていて、もう写真はいいかなと思うことはないですか?

    「なんでやってるんだろう」って思うときはありますね。

    ― それでも撮り続けるんですね。

    撮ったり撮らなかったりするんです。でもそういう迷いがあるのは悪いことではないのかなと。その答えをみつけるためにも、やっぱりやめられないなとなってくるので。

    ― 川島さん自身の中で、写真というものの魅力、なぜ撮るのかということに現時点での答えはありますか?

    一番の理由は、好きだから。写真を撮るのも好きだし、撮ったものをどうしようかと試行錯誤できるのも好きなので。

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    ― 今回は人にフォーカスした撮影でしたが、川島さんが撮りたくなるのってどんな人ですか?

    無邪気な人。純粋な人で、戸惑っている人が好きですね。

    ― 戸惑うというのは、カメラを向けられて?

    カメラを向けられて戸惑っているのも好きだし、生きることに戸惑っている人に惹かれます。人が変化する瞬間がすごく好きなんですよね。『未来ちゃん』なんかも人間になっていく直前みたいなイメージで。

    ― 人が変わろうとしている瞬間を撮りたいと。

    希望や不安が入り混じっている10代の人とかすごい好きです。

    ― 最後に、今回の写真展「ありがとうを、つむいでく。」をこれから観てくださる方たちにメッセージをお願いします。

    今回、コレド室町で撮影させてもらって思ったのが、それぞれのお店で働いている人たちの個性が、それぞれの場所を作っているんだなって。みんなキャラが濃いなあと(笑)。だからこそ、エネルギッシュだと感じたのかもしれません。

    ― 写真を並べたときに、また面白い見え方になっていきそうですよね。どんな写真になるのかすごく楽しみです。

    そうですよね。たくさんの方に観ていただけるとうれしいです。

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    写真家 川島小鳥


    【川島小鳥プロフィール】 写真家。早稲田大学第一文学部仏文科卒業。 写真集に『BABY BABY』(2007)、『未来ちゃん』(2011)、『明星』(2014)、小橋陽介との共著『飛びます』(2019)、『おはようもしもしあいしてる』(2020)、『(世界)²』(2021)など。
    川島小鳥公式 Instagram アカウント

  • COREDO室町2・3 10th Anniversary×OZmagazine 写真展
    「ありがとうを、つむいでく。」
    Photo by 川島小鳥

    協力:富士フイルムイメージングシステムズ株式会社
    ■2024年3月15日(金) 〜 4月7日(日)
    ■展示場所:コレド室町1 B1 タロー書房前、コレド室町3 1F エスカレーター前付近

    撮り下ろし写真作品の一部をご紹介!

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    コレド室町2 B1 日本橋 すし 釣りきん

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    コレド室町3 4F 無印良品

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