まずはともかく
ジョギングシューズを1足

モデル、女優として活躍しているだけでなく、ライフスタイルに関するセンスも注目されている高山 都さん。料理が得意でもあり、うつわを始めとした暮らしまわりのアイテムをセレクトしたポップアップショップを全国で開催したことも。洋服のディレクションも手がけたりと、多岐にわたって活躍しています。 特に、9年続けているというマラソンは、フルマラソンに出場するほど。スタイル維持の秘訣にもなっているよう。

「私にとってマラソンは日常の一環。今でも家を出る前は、面倒だなあ、寒いなあ、暑いなあ、と億劫になることはしょっちゅう。でもいつも、走ってよかったなあって思うんです。」

出張帰りでどんなに疲れていても、少し走ると気持ちと体がリセットされるのだとか。

「家で集中する、人に会うという切り替えのスイッチをマラソンで入れている感じです。旅の疲れも、走って解消できるし。だから旅先にも必ずシューズとウェアを持って行きます。」

自分を確立できたのは
マラソンがあったから

9年前に始めたときは、運動が得意なわけでもなく、仕事だから仕方なく練習していたのだとか。

「最初はハーフマラソン（約21km）に出るのが目標で。まずはとにかく家から出る、ということを自分に課していました。1ヶ月続けたら少し走れるようになって、3ヶ月、1年と続いてきました。今は月に100km走ることを決めていますが、最初はクリアできる低い数字を設定していましたよ。できた！と自分で褒めてあげることが大事だと思ったから。」

自己肯定を続けることによって、なにかハードルの高いチャンスが訪れたときに、トライする勇気が生まれるのではないかと高山さんは考えています。

「忙しいと言い訳するのは簡単だけど、なんとなくテレビを見ている時間を置き換えるのはできるはずだと自分に鞭を打って、とにかく家を出る。そのうちに時間の使い方が上手になって、走るのも好きになって。走って嫌なことってないんですよ。だからやめようと思ったこともない。」

マラソンはとりあえず靴1足でできるところが魅力とも言います。

「本気仕様じゃなくてもいいんです。私も旅に行くときは、街で履いても可愛いシューズを持って行きます。私の定番でもあるワンピーススタイルにも合わせやすいから、荷物が少なくて済むし。」

コンプレックスとうまく付き合うことが
個性やチャームポイントになる

ファッションに対しても、高山さんの考え方はいかに自己肯定できるかということ。

「私はモデルとしては小さいし、コンプレックスがいっぱいあります。でもそれは変えられないから、自分の意識を変えるほうがいい。自分がバランスよく見えるのはどんなシルエットかなと研究したんです。縦のラインを強調してくれるマキシ丈のワンピースで、首まわりはあいているほうが自分に似合うことを見つけてからは、お買い物に失敗することもなくなりました。」

そんな自分のスタイルと相性がいいのが、ジョギングシューズやレインウェアといったスポーツやアウトドアのアイテム。

「フェス用に買った防水タイプのアウターとか、汚れても洗えるアイテムは日常的に活躍しています。気負わず着られて、いつもの格好に抜け感が出るところがいいなと。雨の日にも便利ですよね。」

取り入れ方は、雑誌やInstagramなどを参考にすることも多いそう。

「流行を追いかけることはしないけれど、なにが流行っているかは確認します。年代やテイストに関わらず、いろいろなタイプの雑誌を見て、着こなしのバランスアップ術などのページを熟読（笑）。同じ黒いTシャツでも、人によって着こなしが違うのが面白いですよね。それがファッションの面白さなのかなって。」

今までのお買い物失敗経験について聞いてみたところ、「費やした総額は考えたくないくらい！」と笑う高山さん。

「さんざん失敗してきたからこそ、自分に似合うものがわかったし、長く使えるものを選ぶようになってきた。今は主張の強いものより、シンプルなものを自分らしく着こなすことが楽しいです。」