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ROPÉ PICNICロペピクニック

トレンドを加味した上品なフレンチカジュアルファッションの背景には、
“環境に良いものをつくりたい”という、本気のモノづくりの精神が詰まっていました。
サステナブルな素材や環境に配慮した店舗づくり、また、キッズラインのあるブランドならではのお話など、
豊富な話題からブランドの魅力が伝わってきます。

お話を伺ったのはこの方

小林祐子ROPÉ PICNIC
Yuko Kobayashi

<ロペピクニック>の企画・チーフ。いまのブランドに移ってからは2年8ヶ月。背伸びせず気楽にファッションを楽しめる、それが<ロペピクニック>の魅力とか。ベランダ菜園のInstagram(@23yuko)が人気!

しっかりした“モノづくり”が強み。サステナブルな取り組みも早くから開始

「フレンチカジュアルをベースに、程よいトレンドをプラスしたアイテムが<ロペピクニック>の魅力なのですが、しっかりした“モノづくり”というのも、私たちが力を入れていることの一つ。ブランドの立ち上げから20年以上になりますが、さまざまなサステナブルな取り組みをおこなってきました。お店でお渡しするショッパーを、お客様に二次利用していただきやすいよう、紙ではなく不織布でできたものにしたり、動物愛護の観点から、エコレザーやエコファーを100%使用した商品を展開したり。また、2020年の冬からは、不要になったダウン製品を回収してリサイクルする『グリーンダウンプロジェクト』にも参画。店舗限定にはなりますが、冬の期間、店頭にリサイクルボックスを設置し、お客様にもご協力いただきました。そうやって、私たちにできることから少しずつ、サステナビリティを意識した活動を推進しています」

100%サステナブルな素材を使った商品展開を目指して、環境に優しい素材をフィーチャー

「いまブランドが掲げている目標は、100%サステナブルな素材を使った商品展開です。一昨年くらい前から積極的に取り入れるようになり、ようやく形になってきました。例えば、『オーガビッツ』というオーガニックコットン。世界中の綿花のわずか1%しかないオーガニックコットンの割合を10%にしよう、という試みで、オリジナルタグのついた商品を購入すると、タグ1枚につき1円が、一般財団法人<ピース・バイ・ピースコットン>に寄付されるというもの。インドのオーガニックコットン農家の支援や、オーガニックコットン普及のために役立てられています。また、『フードテキスタイル』というプロジェクトにも参加していて、こちらは、食品会社や飲食店などで捨てられるはずだった野菜や食材を特殊な技術で染料化し、それぞれの持ち味を生かした色に染めたもの。お客様にはこういったアイテムを気負わず取り入れてほしい、という思いから、ベーシックなアイテムを中心に、サステナブル素材へ移行するようにしています」

この春のおすすめは、『トゥルーコットン』を使ったアイテム!

「今日、私も着ているのですが、『トゥルーコットン』という、トルコのオーガニックコットンを使用したアイテムが、この春のおすすめです。『トゥルーコットン』とは、トルコでつくられた生産者の顔が見える『トレーサブル オーガニックコットン』のことです。綿花農場や紡績工場で働く人が健康で明るい毎日を送ることができる環境にいる、そんな裏付けのある場所でつくられています。
素材自体も秀逸で、普通のオーガニックコットンより目面がきれいな、私も一目惚れした素材なんですよ。テンセルと混ぜることで、つるつるとして柔らかく、落ち感の美しい商品に仕上がりました。長く使っていただきたいので、ベーシックなシャツやボーダーカットソー、プルオーバーなどで展開しています。シャツなら、ちょっとポンチョ風のシルエットにしたり、背中にタックを入れることでデザイン性をもたせたり、程よいトレンド感を入れているのもポイントです」

親子でリンクコーデ! サステナブル素材のキッズアイテムが人気

「SNSでも発信しているのですが、サステナブル素材への反応は好評ですね。エコとかサステナビリティへの意識や興味が高まっていて、それがまた、一つのおしゃれとして認識されているように思います。特に、キッズ商材でのサステナブル素材の人気が高いですね。やはり、洋服って肌に触れるものなので、オーガニックって肌に良さそう、環境にもいい、という点が、一つのキーワードになっています。ららぽーと、ラゾーナですと家族連れの方も多いので、親子でリンクコーデなんかもおすすめですよ。今回ご紹介しているオーガニックコットンアイテムなら、ママはプルオーバー、お子さんはカーディガンで、さり気ないリンク感を楽しめます。また、洋服をきっかけにお子さんと地球の未来について話してみたり、ファッションを通じて教育につながると嬉しいですね」

ただサステナブルなだけではなく、
お客様のニーズや時代に沿ったものを!

「基本的に、サステナブルな素材に置き換えられるものは、置き換えていこう!という思いでつくっているので、綿だとオーガニックコットン、ポリエステルなら再生ポリエステル、レーヨンならレンチング社のエコヴェロ™繊維などを取り入れています。ただ、値段的に厳しい場合もあります。もちろん高い値段を出せば可能ですが、それだと、ジャケットで2万〜3万になってしまう。うちはカジュアルブランドなので、その金額だと難しい。どうしたら安くなるか、使える値段になるか、メーカーさんとたくさんやり取りをさせていただきながら、形にしています。サステナブルな商品をつくっても、お客様に買っていただけないと意味がないので、お客様のニーズや時代に沿ったものを考えながら実現するのが大変ですね。その分、完成したときの喜びは大きいです」

サステナブルな素材に取り組むことで、
日常にも変化が

「会社全体でサステナブルな素材に取り組むなかで、いろいろ変化を感じられるように。モノづくりをしているチーム全体で、環境に良いものを使用していきたいという意識が高まり、各自が自発的に考えられるようになりました。また、私自身もできることからやってみようと、ベランダ菜園を始めたんです。ハーブやミニキャロットなど、少量しか使用しない、飾る系の野菜を育てることで、フードロスを減らすことにつながればいいなと。それをSNSで発信することで、共感してくださった方が同じように始めて、それがさらに広がって、都心に緑が増えれば嬉しい。また、子どもがいるので、買うのではなく自分で育てるというのは食育にもなります。他にも、残った料理も別の料理にアレンジする、フードサイクルも意識したり。自分で楽しんでできることから始めるようになりました」

牡蠣のオイル漬け

残った牡蠣のオイル漬けでパスタ

ベランダ菜園で収穫した赤トウガラシとハーブを使って

牡蠣のオイル漬けのレシピ
①塩水で牡蠣を優しく洗う。
②500mlの水に、お酒50mlを加え、鍋でひと煮立ちさせる。
③牡蠣を入れ、煮立ったら火を止め、蓋をして余熱で約20分、牡蠣にしっかりと火を通す。
④冷めたら牡蠣の水気を良く拭き、消毒した保存ビンに入れ、しっかりと浸かるくらいまでオリーブオイルを注ぐ。
⑤④に赤トウガラシや、ニンニク、塩、粗びき粒胡椒を入れ、好みのハーブ(ローリエやディル等)を加えて、冷蔵庫で一晩ねかせたら完成!
※5〜7日以内に食べてください。

アレンジ
牡蠣のオイル漬けをそのままパンにのせたり→残ったらパスタにして→最後に残ったうまみタップリのオイルは、アクアパッツァなどの魚介料理の格上げに使えます。
※牡蠣が苦手な方は、ホタテでもOK!

独自のSDGsサイトの制作や、ハンガーのリユースなどの取り組みも開始

「素材だけではなく、他にも新たな取り組みを始めています。2021年の春から、ショップに洋服を納品する際に使用するプラスチックハンガーを、破棄するのではなく回収してリユースすることに。これにより、ハンガーを焼却することで発生していたCO2や産業廃棄物の削減につながります。また、店舗のVMDにもエコ素材を導入します。環境省が毎年公表する基本方針を満たした製品を『グリーン購入法適合品』というのですが、そういったエコな基準を満たす素材を取り入れた店舗づくりをすすめています。

私たちのいるファッション業界は、環境破壊につながる、さまざまな問題を抱えています。そんな中で思うのは、たくさんつくって、すぐに破棄するようなモノづくりはしたくない、ということ。長く愛用していただくために、素材選びや、しっかりとした縫製にこだわっていきたいと思っています。リユースも、ハンガーではやっていますが、いずれは商品でも実現できたら最高ですよね。そんな、日本人らしい “ものを大切にする精神“で、これからもファッションと関わっていきたいし、皆さんもそうであってほしいと思います」

ROPÉ PICNIC

ロペピクニックのおすすめアイテムをチェック

  • 左:オーガニックコットンパール釦カーディガン2,750円(税込)
  • 右:オーガニックコットンベーシックプルオーバー3,300円(税込)

親子でリンクコーデ! キッズのカーディガンは、ちょっと背伸びして着られるデザインが可愛い。

  • 左:フードテキスタイル プリントキャンバストート&ショルダーバッグ3,850円(税込)
  • 右:フードテキスタイル オーガニックコットンMIXリブソックス各1,320円(税込)

コーヒーを染料として染めたバッグと、抹茶や桜、コーヒーで染めたソックスは柔らかいカラーが魅力。