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URBAN RESEARCHアーバンリサーチ

画期的な洋服のアップサイクル方法や新たな雇用を生み出す協業など、
これからの地球環境や人の働き方、暮らし方に一石を投じた新ブランド<commpost(コンポスト)>とは?
2019年には、環境省グッドライフアワードの実行委員会特別賞「環境と福祉賞」も受賞したという内容を深堀り!

お話を伺ったのはこの方

栁堀佑太URBAN RESEARCH
Yuta Yanagihori

2013年入社。デジタル事業本部 デジタル営業部 プレス課 カンパニープロモーションチーム 兼 経営企画部 サステイナビリティ推進課。生粋の江戸っ子ながら、社内外問わず物腰の柔らかさには定評あり。

廃棄衣料をアップサイクル!サステナブルな新ブランド<commpost(コンポスト)>

「サステナブルな取り組みとして、ぜひ、<URBAN RESEARCH>から2018年の11月に立ち上がった新ブランド<commpost(コンポスト)>をご紹介させてください。これからの地球環境や人の働き方、暮らし方に新しい常識を示していきたい、そんな思いから誕生しました。簡単にいうと、ブランドが抱える廃棄衣料をアップサイクルしたもの。新素材と新製品の研究開発は、『Colour Recycle Network(カラーリサイクルネットワーク)』さんと、製造は大阪・箕面のNPO法人『暮らしづくりネットワーク北芝』さんとともに、障がい者をはじめとする就労困難者の方々や地域住民の方々との協働も実現しています。商品のラインアップは、インテリア収納にも便利なマルチパーポスバッグやティッシュボックス、スマホケースやバッグなど、雑貨がメイン。まだ、単独店を出すところにまでは至っていませんが、ららぽーと、ラゾーナの一部店舗でも商品を取り扱っています」

廃棄衣料を減らしたい、ハンディキャップのある方の雇用も創出したい

「<commpost(コンポスト)>を立ち上げた背景には、実は二つの課題がありました。一つが、アパレル業界が抱える廃棄衣料の問題。商品が製造され、販売されるまでの段階で、どうしても生地にひっかかりができてしまったり、汚れがついてしまったりと、お客様に販売できず廃棄せざるを得ない商品が出てしまっていました。
それを<commpost(コンポスト)>の生地として生まれ変わらせることで、廃棄衣料を減らしたいという狙いがありました。そして二つめは、障がい者雇用の課題。ハンディキャップのある方の雇用についても新たなアプローチができないか。そんな二つの課題を同時に解決できたらいいよね、という考えから生まれたんです」

素材ではなく、色で分けることで、
ハードルの高い洋服のアップサイクルを実現!

「集められた廃棄衣料は細かく砕いて繊維にし、そこに樹脂素材を混ぜて、熱を加えて成形しています。素材のイメージとしては、ちょっと硬めのポリエステルやレザーに近いでしょうか。このシステムが画期的なのは、今まで難しかった洋服のアップサイクルを可能にした点です。最近は特に多いのですが、お洋服ってコットン100%とかではなく、コットンとポリエステルだったり、いろんな繊維が混ざっている。そこからリサイクルしようとすると、繊維ごとに分別しなければならないので、洋服はアップサイクルしづらいというのが定説でした。それを、廃棄繊維を色で分けて付加価値のある素材にリサイクルする研究を行っている『Colour Recycle Network(カラーリサイクルネットワーク)』さんとの協働によって新素材を開発。例えば、白系、赤系、黒系など、色ごとに分けて細かく砕き、商品の色として活かすとともに、繊維自体を強化材として使うことでリサイクルしているんです。熱を加える工程で、元のカラーより明度が落ちるので、独特のくすんだ色になるのが特徴です。現在では、多いもので6色ものカラー展開のある商品もあります。」

<commpost(コンポスト)>ができてから、
廃棄衣料はほぼゼロに!

「弊社の倉庫にある廃棄衣料だけでなく、2021年4月から、一部店舗限定ではありますが、お客様の不要になった弊社商品も回収してアップサイクルできるようになりました。また、<commpost(コンポスト)>の製品自体も不要になったらお店で回収し、それ自体をまたアップサイクルして、同じ<commpost(コンポスト)>の製品として循環させることが可能です。極力、廃棄物が出ないような仕組みづくりにも取り組んでいます。<commpost(コンポスト)>ができてから、嬉しいことに弊社の所有する廃棄衣料に関しては、ほぼゼロになりました。さまざまなリサイクルの可能性については引き続きチーム内で話し合っているところなので、協業させていただけるところがあれば、また何か新しい形で提案する可能性は大いにあると思います」

素材だけではない。すべての人が平等に働ける場をつくるために

「廃棄衣料以外に、障がい者雇用の課題を解決するべく、大阪・箕面のNPO法人『暮らしづくりネットワーク北芝』さんと協業しています。そこでは、障がい者をはじめとする就労困難者の方々や地域住民の方々に製品づくりに携わっていただいているんですね。なので、商品として使いやすくてデザインも良い、というのはもちろんなんですが、それにプラスして、生地の厚さや、縫製のしやすさ、というところにもこだわりました。<commpost(コンポスト)>の生地は厚さがあるので実際にミシンで試して縫ってみて、本当に縫製できるかどうか何度も試しました。最初の試作の生地は今よりも0.2mm程分厚く、何回かミシンの針が折れたこともありました。しかも、4人がかりで生地を押さえないと縫えませんでした。そうならないように、生地の厚さや、縫いやすさ、複雑な縫い方はしないなど、そこはかなり力を入れた部分です。サステナブルとなると、どうしても素材の方に目が行きがちですが、平等に働ける場所を提供しているという部分も、<commpost(コンポスト)>が評価されている理由だと思います。おかげさまで、2019年には第7回環境省グッドライフアワードの実行委員会特別賞「環境と福祉賞」も受賞させていただきました」

ファミリー層におすすめなのは、インテリアにもなる「マルチパーポスバッグ」

「現在展開しているアイテムの中でも断トツ人気なのが、『マルチパーポスバッグ』です。その名のとおり、多目的な商品なので、お客様のお好きなように使っていただければ。例えば、撥水性に優れているので、鉢カバーにもおすすめですし、ちょっとおしゃれなゴミ箱としても、また、お子さんのいらっしゃるご家庭であれば、おもちゃ箱にもぴったりです。シックなカラーなので、自然にインテリアに馴染むと思います。ららぽーと、ラゾーナの店舗でも、おしゃれだと好評なアイテムです」

<commpost(コンポスト)>の取り組みを発信する<URBAN RESEARCH DOORS>南船場店

「<URBAN RESEARCH DOORS>南船場店という路面店があるんですが、店舗2階フロアの一角には、ガラス張りの作業スペースを始め、来店者が直接見学できるオープンスペースとなっています。商品になる前の素材を販売していたり、ワークショップも開催するなど、<commpost(コンポスト)>の世界観の発信を担う店舗として機能しています。自社店舗だけではなく、SDGsへの取り組み例として、社外でお話しさせていただく場も増えました。つい最近も大阪の高校からお声がけいただき、<commpost(コンポスト)>を中心に自社の取り組みについて講演させていただいたばかり。世間の方も受け入れやすくなっているので、さまざまな側面からお伝えしやすくなりましたね」

売れることで雇用が生まれる。世の中に向けて積極的に発信していきたい

「店舗で聞いたのですが、作業に携わっている方が、店頭に商品が並んでいるのを見に来てくださったことがあったんです。スタッフも知らずに接客して<commpost(コンポスト)>の取り組みについて説明したらしいのですが、それがとても嬉しかった、もっと頑張ろうと思った、と言ってくださって。働くモチベーションの向上にもつながったそうです。そういった方々の雇用や、生活を支えるためにも、私たちはこの商品を売らなければならない。新しい製品を生み出していくためにも、外部に向けての発信を強化していきたいと思っています」

URBAN RESEARCH

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  • <コンポスト> マルチパーパスバッグ(M)1,980円(税込)

発想次第で使い方広がる!ステーショナリーやキッチン用品、キャンプ道具などの収納にも。

  • <コンポスト> ティッシュボックス2,640円(税込)

新作のティッシュボックス。インテリアに馴染むシックなカラーリングが秀逸!